賞与をしっかりもらって退職・転職するには?ポイントはタイミング

2022/08/23

賞与をしっかりもらって退職・転職するには?ポイントはタイミング

賞与(ボーナス)は、人生設計に大きな影響を及ぼすお金です。転職するなら、要領良く賞与を受け取ってから退職し、あわよくば、転職先でも支給を受けたいですよね?企業のボーナス支給制度を把握し、退職を通知するタイミングを間違わなければ、現職企業と転職先企業の双方からボーナスを受け取ることは可能です。ここでは、現職企業で賞与をもらって退職・転職する方法を紹介します。



転職スケジュールを組む前に!現職企業のボーナス支給規定を確認しよう



転職スケジュールを組む前に!現職企業のボーナス支給規定を確認しよう

今、勤めている企業から賞与をもらって退職・転職するには、退職を知らせるタイミングが重要と述べました。しかし、通知に最適な時期を図る前に把握しておかなくてはならないことがあります。それが現職企業の「賞与支給規定」です。ボーナスの支給に関するルールは、それぞれの企業の裁量によって決まられているため、企業ごとに個性があります。そのため、ボーナスを受け取ってから辞めたい場合、自身が所属している企業のボーナス支給規定を正しく把握しておかなければなりません。もし、ルールを理解しないまま転職・退職活動を進めてしまうと、ボーナスが受け取れなかったり、支給額が減ってしまったりするからです。



ボーナス支給規定をチェックするときは、「賞与支給時期」「評価対象期間」「支給日在籍条項」の3点に注目しましょう。支給時期は、退職を打ち明ける時期を図る上で重要な情報です。ある程度の期間、今、勤めている企業に在籍していれば、把握できているはずですが、念のため確認しておくと安心です。評価対象期間は、支給額の基準となる業績や評価について、どの期間の情報を参考にするかを示しています。評価対象期間は、賞与が支給される前の6カ月間とする企業が多数派です。



しかし、ボーナス支給前の「どの6カ月」を対象期間にするかはまちまちで、支給直前の12月~5月を対象期間にする企業もあれば、早期の10月~3月を対象期間にする企業も存在します。評価対象期間中に企業に在籍していなければ、在籍していない分の賞与はもらえません。



支給日在籍条項とは、賞与の支給に当たって、「ある特定の時点で在籍している人をボーナス支給対象とする」というルールのことです。例えば、「賞与を支給する当日に在籍していること」「支給日の1カ月前に在籍していること」などが挙げられます。支給日在籍条項は、辞めるタイミングを決める上で重要な情報なので、ボーナスを受け取ってから仕事を辞めたい方は、しっかり確認しておきましょう。



退職を告げるタイミングはボーナスを受け取ってからが最適?



退職を告げるタイミングはボーナスを受け取ってからが最適?

ボーナスを受け取ってから退職したいとき、もっとも気を配りたいのが、現職企業に仕事を辞めることを通知するタイミング。転職活動をする多くの人は、希望の転職先から内定をもらってすぐ、勤めている企業に仕事を辞める意思表示を行います。早めに退職を申し出ることで、退職日の決定や業務の引き継ぎがスムーズに進められるからです。



しかし、賞与を受け取ってから退職・転職したい場合、内定が出たからといって、現職企業にすぐ退職を告げるのは控えたほうが良いでしょう。ボーナス支給よりも前に辞める意志を表明すると、ボーナスの支給額が少なくなってしまう懸念があるからです。企業の賞与支給規定によっては、ボーナスの役割を「将来への動機付け」と設定しているところがあります。将来への動機付けとは、「これからも弊社に貢献してください」という期待のようなもの。ボーナスの役割を規定する部分に、この「将来への動機付け」という文言がある場合、近々仕事を辞める社員にボーナスを支給する意味が半減するため、ボーナス支給額が減ってしまう可能性があります。



しかし、場合によっては、ボーナスが支給される前に退職を通知し、ボーナスを受け取ってから早めに辞めたほうが良いこともあります。早めに転職先企業に入社したほうが、転職先企業でのボーナス評価対象期間が伸び、ボーナスの総額がアップするかもしれないからです。転職先企業に内定した後、転職先にボーナスの支給制度について質問できる方は、いつ退職を告げるとボーナスの支給額がもっとも大きくなるのか、計算してみると良いかもしれません。



賞与のもらい逃げと思われない工夫も必要!余裕を持って退職届を提出しよう



賞与のもらい逃げと思われない工夫も必要!


人によっては、「これから退職するのにちゃっかりボーナスをもらっていいのかな?」とか、「ボーナスをもらってから辞めるなんてずるいと思われないだろうか?」などと不安を感じるでしょう。賞与は、従業員の労働に対する正当な対価なので、これから辞める人にもボーナスを受け取る権利があります。堂々と受け取りましょう。しかし、ボーナスを手に入れてから早々に退職してしまうと、同僚や上司から「ボーナスのもらい逃げ」とレッテルを貼られてしまう可能性は十分考えられます。



同僚などからもらい逃げと後ろ指を指されたくない方は、ボーナスを受け取ってから辞めるまで、時間的な余裕を設けるようにすると良いでしょう。その間、業務の引き継ぎや取引先への挨拶回りに取り組めば、たとえボーナスをもらってから辞める事実は変わらなくても、好印象を保ったまま退職できます。ボーナスの受け取りから退職日まで、1カ月程度の期間を設定しておけば、勤めている企業に配慮しつつ、仕事を辞められるでしょう。







スケジュール次第でボーナスをもらって転職できる!後悔のない選択をしよう



転職もスケジュール調整をしっかり行えば、現職企業から夏のボーナスを受け取った上で、転職先企業から冬のボーナスをもらうことも可能です。ただ、ボーナスをもらうことに固執するあまり、現職企業や転職先企業にネガティブな印象を与えてしまうことがあります。ボーナスをもらってからの退職・転職を狙っている方は、「本当に重視すべきことはなにか」をよく見極め、後悔のない道を選んでください。